日本版401kの運用、預貯金が5割――厚労省調査。
厚生労働省は二十六日、加入者の運用実績に応じて年金額が変わる確定拠出年金(日本版401k)
の運用資産状況をまとめた。昨年七月末にかけての運用資産配分は預貯金が最も高く、全体の五〇%と
前回調査の三二%から拡大した。株式相場の低迷を受け、株式投資信託より安全性の高い資産の配分を
増やしたとみられる。
資産の配分比率は株式投信が二五%と、前年同期の四六%からほぼ半減,。公社債投信も六%から五%に下がり、元本割れ
リスクのある運用資産への配分は減った。元本確保型の運用資産の比率は高まり、預貯金のほか、確定利付き保険など保険商品の比率も八%から一一%に拡大した。
世代別にみると、年齢層が高いほど401kの運用で安全志向が強い。五十歳代は預貯金が五六%と資産全体の半分を超え、二十歳代の四四%と比べ高い。対照的に株式投信は二三%と二十歳代の三四%と比べ一一ポイント低い。
2004/03/27 :日本経済新聞
75歳以上の医療保険料、1人当たり年5万3000円
厚生労働省は二十二日、現在の七十五歳以上が負担する医療保険料は一人当たり年五万三千円との推計結果をまとめた。政府は七十五歳以上だけが入る新保険の創設を柱とする医療保険制度改革に二〇〇六年にも着手する方針。新保険の財源は加入者本人の保険料や現役世代からの支援金などで賄う。
七十五歳以上の国保加入者は六百五十三万人で、一人当たり保険料は年六万二千円。一方、政管健保、健保組合の加入者で家族に扶養され自分では保険料を負担していない人は二百五万人で、本人が払っているのは二十一万人だけ。三制度を単純平均した七十五歳以上の一人当たり保険料負担は五万円台半ばだった。また七十五歳以上の一人当たり医療費は年七十万円以上で、現役世代の約五倍になっている。 現在、原則七十二歳以上(段階的に七十五歳以上に引き上げ)は老人保健制度の適用を受け、医療費の大半はすべての医療保険の拠出金で賄っている。政府は制度改革で七十五歳以上の全員を新保険に移す方針。
2004/03/23:日本経済新聞
厚労省、社員の出向・転籍、法で規定――労使紛争を防止、解雇の金銭解決も検討
厚生労働省は企業が従業員に出向や転籍を命じる際の手続きなど労働契約のルールを法律で明確にする。今は労働契約のあり方を定めた法体系がなく、労使紛争の原因となっている。終身雇用など旧来の雇用慣行が崩れる中、手続きの明確化で労働移動を円滑にするのが狙いだ。裁判所が解雇を無効と判断した場合に従業員を復職させず、金銭賠償で解決する方法も検討する。
二〇〇七年をメドに労働基準法改正や新法の制定などの法整備をめざす。 現行の労働基準法は企業に対し、従業員に賃金や労働時間などを明示するよう義務付けているが、出向、転籍、労働条件変更などの手続きはあいまいで、このため、例えば出向の場合は出向先での具体的な処遇を示したり、転籍では個々の従業員の同意が必要であるといった手続きを法律に明記する方向だ。 解雇を無効とする司法判断が下った場合の迅速な解決策も検討する。いったん解雇された従業員が実際に復職するのは難しいケースが多いため、企業側が補償金を払って雇用関係を打ち切れる仕組みを具体化する。労働契約の「終わらせ方」を多様化し、労使紛争の長期化を防ぐ考えだ。 契約社員の増加など働き方は多様化し,労働組合の組織率が二割を割り込むなど、雇用関係は個人と企業の個別契約の色彩を強めており、企業の労務管理や個人の働き方の実態に合った契約手続きの明確化を急ぐ
2004/03/23 :日本経済新聞
個
人情報保護、企業の処罰基準明示――業種別に指針策定
来春に完全施行となる個人情報保護法の運用方法を定める基本方針の策定作業が大詰めを迎えている。ソフトバンクBBなど個人情報の流出事件が相次ぐ中、顧客情報管理の明確な責任体制などを企業に求める。四月以降はより具体的な業種別ガイドラインを各省庁が順次決定、処罰の基準などを明示する。
基本方針では、個人情報保護法に基づき、情報の目的外利用の制限など企業や行政がとるべき措置を定める。具体的には(1)個人情報の保護管理者の設置や情報漏えいの予防策など明確な責任体制の確保(2)個人情報を目的外利用しないことや苦情に適切に対応することを対外的に宣言する「プライバシーポリシー」の公表――などを求める。
義務規定としては個人情報を閲覧できる従業員の限定や、不正な情報閲覧を監視する部門の設置などが議論の対象となる見通し。外部機関による情報管理の認証取得や派遣社員との秘密保持契約も論点となりそうだ。
情報サービス業などを所管する経済産業省は、四月にもガイドラインを公表。他省庁も来春に向け順次策定を進める。
特に漏えいが深刻なプライバシー問題を引き起こしかねない金融、医療、情報通信の三分野には、より厳格な規制を定めた個別法の制定も課題となる。
▼個人情報保護法 個人情報の適切な取り扱いを企業や行政に義務づける法律。個人情報を取得する際に利用目的を通知するほか、本人の求めで個人情報を開示する義務を課す。昨年五月に成立、現在は国や自治体に限って施行している。来年四月に企業も含めた完全施行となる。 五千件以上の個人情報を利用する企業や、コンピューターで個人情報を容易に検索できる事業者などが対象となる。情報漏えいなどが起きた場合、事業者が改善命令に応じなければ罰則が科せられる。
個人情報保護に力を注ぐ企業は着実に増えている。経済産業省の外郭団体、日本情報処理開発協会の「プライバシーマーク」取得企業は前年度末比四割増の七百二十社。昨年末以降の申請件数は従来の二倍のペースに増加した。
2004/03/21 :日本経済新聞
年金代行返上、企業の半数――運用重荷、2年で746基金、株換金売り峠越す
厚生年金基金の運用資産のうち、「代行部分」と呼ばれる国からの預かり金の返上を決めた企業がほぼ半数に達した。これに伴い、資金を返すための株式市場での換金売りはピークを越した。厚年基金が国の資産を抱えない純粋な企業年金に生まれ変わるのを機に、企業は支給額が運用成績次第で増減する新型年金の導入など、年金制度の再構築に本格的に動き始めた。
ホンダはこのほど厚生労働省に対し、厚年基金の代行部分の返上を申請した。厚労省は三月一日付で藤沢薬品工業、伊藤ハムなど八社に代行返上を認可。この二年間で認可を得た基金数は七百四十六と、年金基金全体(千六百弱)の五割近くに達した。残る基金は中小企業などが多く、資産規模が大きい有力企業の代行返上はほぼ一巡したとみられる。
代行部分とは、元本を増やして運用を有利にするため、企業が国に代わって運用している年金資産のこと。厚年基金の年金資産の約半分に当たる二十五兆円前後が代行部分といわれる。金利低下などで給付の前提としている運用利回りが確保できなくなり、企業にとって重荷になっていた。 代行返上により国の制度から離れる結果、企業は年金運営の巧拙を一段と問われる。市場金利などに連動して支給額が変わる「キャッシュバランスプラン」と呼ばれる新型年金を導入する動きが相次いでいるのもそれに対応する動きだ 従業員が自分の判断で運用対象を選ぶ確定拠出年金(日本版401k)の採用も加速。
2004/03/22 :日本経済新聞
厚労省、企業年金の国債時価評価を免除――満期保有条件に
厚生労働省は、企業年金が保有する国債のうち、満期償還まで保有すると決めた国債については時価評価を免除し、取得価格(簿価)で資産に計上できる会計ルールを今月中に導入する。長期金利が上昇(債券価格が下落)した場合でも評価損を出さずに済むため、長期の安定資産として国債を購入しやすくなる。企業年金の負担を軽くするとともに、国債の安定消化にもつながりそうだ。 新ルールの対象となるのは、運用資産を時価評価している厚生年金基金と確定給付企業年金。加入者への将来給付額をあらかじめ決めておく両年金は、3月初め時点で約1700あり、全会社員の3割程度が加入している。運用資産は総額50兆円程度、うち国債を中心とする債券での運用は十数兆円とみられる。
現在、企業年金は1年間の掛け金収入や給付支出、期末時点の資産の時価評価などを決算報告することが義務付けられている。今後は決算書のなかに「満期保有債券」という項目を設け、該当する債券は市場実勢を反映しなくてよくなる。 期末に債券価格が下がるなどして企業年金の運用損が膨らむと、母体企業が損失を穴埋めしたり掛け金や給付水準を見直す必要が生じる。この数年、年金の運用成績悪化で多くの企業が巨額の積み立て不足の穴埋めに追われ、企業収益の足かせになってきた。
2004/03/14
50代男性の給与減、鮮明、全体も2年連続減
厚生労働省が十八日発表した二〇〇三年の賃金構造基本統計調査によると、昨年六月時点の五十代前半の男性の平均賃金(ボーナス、残業代を除く所定内給与)は前年比一・七%減と、世代別で最も減少幅が大きかった。男女、世代を通じた全体の平均は同〇・二%減にとどまっており、企業が人件費のかさむ中高年層を中心にリストラを進めている構図が浮き彫りになっている。
男性のパートを除く一般労働者の平均賃金は三十三万五千五百円で、同〇・二%の減少。男性はすべての年齢層の給与水準が五年前を下回ったが、特に厳しいのが五十―五十四歳。平均賃金の減少幅が世代別で唯一、一%を超えた。一方、四十代後半は同〇・二%の微増。この結果、男性の賃金の最高額は五十代前半と四十代後半が四十一万一千九百円で並んだ。 一九九二年以降、男性では五十代前半の賃金が最も高かったが、企業は総人件費を抑制するため、成果主義の導入などで平均給与の高いこの年齢層の賃金を抑えている。
女性の平均賃金は二十二万四千二百円。同〇・三%増え、男女間の賃金格差はわずかながら縮まった。大卒者の増加に加え、勤続年数の伸びなどで中堅層の三十代の割合が上昇しているため、男性と異なり、賃金の上昇傾向が続いている。 男女を合わせた全体の平均賃金(平均年齢四十・三歳)は前年比〇・二%減の三十万二千百円。二年連続の減少となったが、景気の持ち直しを受けて、二〇〇二年(同一・〇%減)に比べ減少幅は小さくなった。
一方、パート労働者の時給は、男性が同一・二%増の千三円と、二年ぶりに千円台に乗った。女性は同〇・二%増の八百九十三円。男性のパートに占める六十歳以上の割合は一年前に比べ二・七ポイント上昇。嘱託などで定年後も短時間労働を続ける男性が増加。四人に一人が六十歳以上となり、平均時給を押し上げた。
今回の調査は従業員十人以上の約四万二千社、約九十六万人の労働者を対象に集計した。
2004/03/19 :日本経済新聞
昨年冬の一時金、2年ぶりプラス
厚生労働省は十八日、二〇〇三年の主要企業年末一時金の妥結状況をまとめた。平均妥結額は前年比一・九七%増の七十七万千五百四十円で、業績好調な自動車などが全体を押し上げ二年ぶりにプラスに転じた。産業別に見ると、前年比で伸び率が高かったのは鉄鋼(一二・七八%増)、ゴム製品(七・一六%増)、自動車(五・八六%増)の順。
:2004/03/19 :日本経済新聞
企業年金の給付水準見直し、「同意者だけ減額」可能に、厚労省が明文規定。
厚生労働省は、企業年金が給付水準を見直す際の具体的なルールをまとめた。加入者の三分の二以上が減額に同意した場合、同意した人だけを対象に実施できる。減額を拒否した人への一時金の支払い基準も設ける。企業年金を存続しながら財政悪化を解消しやすい環境を整える。
厚労省はこのルールを盛り込んだ通知を16日付で作成、17日から各企業年金に発送する。即時に適用する。
厚生年金基金など企業年金の給付減額はすでに「三分の二の同意が必要」との規定がある。しかし、同意しなかった人も減額するかどうかには触れておらず、規定があいまいだった。
これまでは企業年金は減額に踏み切ると減額の妥当性や公平性を巡って加入者から訴訟を起こされる可能性があると懸念。すべてのOBや現役加入者の同意を得ようとする年金もあった。
今回のルールでは、減額を拒否した受給者には、制度見直し時に、給付水準を維持した場合と減額後の受給見込み額との差額を一時金として支払うことを明記した。これまでは加入・受給者とのトラブルを懸念して、給付水準を維持した場合の受給見込み額前後を一括で払う例が多かった。
厚労省は一般的に企業年金が解散に追い込まれれば加入者の損害が膨らむとみている。今回のルールを通じて、企業年金が解散を避けながら財政を立て直す動きを後押しする。ただ、年金加入・受給者の三分の一未満ならば、他の人が減額する一方で、自分の年金だけを考えて減額を拒否し続けることも正当化される問題点もでてくる。
2004/03/17 :日本経済新聞
個人情報、企業に管理責任者――内閣府が基本方針案、漏えい時には公表。
内閣府は16日、個人情報保護のために国や地方自治体、企業がとるべき対策の方向性を示す「個人情報の保護に関する基本方針」案をまとめた。ソフトバンクBBなど個人情報が大量流出する事件が相次いだことから、企業に対し、社内に管理責任者を設置するなど明確な責任体制をつくるよう要請。情報漏えいが分かった際の事実関係の公表も求めた。
これは内閣府が同日開いた国民生活審議会個人情報保護部会で示した。来年4月に完全施行となる個人情報保護法に基づいて、個人情報の適切な取り扱いへ企業や行政がとるべき措置を定める。
基本方針案は企業など事業者に対し、明確な責任体制の構築に加え、顧客などの個人情報をどう取り扱うかを示す「プライバシーポリシー」の公表を要請。個人情報を目的外に利用しないことや、苦情処理に適切に対応することを対外的に明示するよう求めた。 国には、各省庁が所管する業界ごとに、実態を踏まえた個人情報保護のガイドラインを検討するよう要望。医療、金融、情報通信の三分野は特に慎重な取り扱いが必要なため、来年四月までに「格別の措置」を検討するとし、個別法で対応する可能性を打ち出した。
2004/03/17 :日本経済新聞
65歳以上の介護保険料、低所得層を軽減へ
厚生労働省は六十五歳以上が負担する介護保険料の所得区分を現行の五段階から細かくする方向だ。保険料の軽減対象となっている低所得層について、市町村の独自判断でさらに軽減できるようにする。
六十五歳以上の保険料は市町村ごとに異なるが、所得に応じ原則五段階。本人の市町村民税が非課税で同居者に納税者がいる人を基準(第三段階)とし、世帯全員が非課税(第二段階)なら二五%安く、生活保護などの受給者(第一段階)は半額に抑制。一方、住民税を納める本人の所得が年二百万円未満(第四段階)なら二五%高く、二百万円以上(第五段階)は五割増しとしている。第二段階層は高齢者全体の三割を占め、世帯全体の収入に差があり、低収入世帯ほど負担感は重い。 このため厚労省は第二段階を細かく分け、二五%軽減に加え、高齢者の負担能力に応じ二割引き、三割引きの区分を市町村が独自に設定できるようにする。
2004/03/07 日本経済新聞
265、年金福祉施設すべて廃止・売却へ
全国に二百六十五ある厚生年金病院などの年金福祉施設が二〇〇九年度をめどにすべて廃止・売却される方針が固まった。 年金福祉施設は、現役世代の年金加入者への福祉還元を目的に国が整備してきた。厚生年金病院や厚生年金会館のほか、温泉やテニスコートを備えた健康福祉センター、「ハートピア」などの老人ホームがあり、年間延べ四千四百万人が利用している。。建設のために投入された資金は約一兆五千億円にのぼるが、その資産価値は約一兆円にまで目減りしている。 また病院の処分は地域医療への影響に配慮する必要があり、計画実現への課題は多い。
:2004/03/07 :日本経済新聞