採用50日、過労死と認定 雑誌制作会社に賠償命令
共同通信によると、雑誌の制作会社でアルバイトを始め約50日で急死した大阪府枚方市の廣瀬勝さん=当時(21)=の母親らが、勤務していた「ジェイ・シー・エム」(東京)に計約1億1,500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は30日、計約4,700万円の支払いを命じた。 二本松利忠裁判長は判決理由で「長時間の時間外労働で十分な睡眠をとれず疲労が蓄積していた。会社は適正な労働条件を確保する注意義務を怠った」と指摘し、廣瀬さんの過労死を認めた。 判決によると、廣瀬さんは1996年4月、中古車情報誌を制作する同社大阪支店に編集のアルバイトとして採用され、記事と写真の照合作業などを担当。1カ月の残業が約90時間になるなど長時間労働が続き、採用から約50日後の同年6月に自宅で死亡した。死因は虚血性心疾患と推定された。
2004/8/30
年金納付額を毎年通知・社会保険庁、来年度分から
社会保険庁は厚生年金と国民年金の全加入者を対象に、過去1年間の年金保険料の支払い実績を毎年通知する。2005年度分から始める。加入している保険制度や納めた保険料の金額、未納期間の有無などを記した記録を毎年送付する。未納者を含めた全加入者が年金の加入状況を把握しやすくする。 通知する情報は過去1年分に限る。加入期間すべてを知るには社会保険事務所に問い合わせる必要がある。
会社員が加入する厚生年金では保険料が給与天引きとなっており、たとえ企業が天引きした金額をきちんと納めていなくても加入者は気づきにくい。社会保険庁が直接通知することで実際の納付状況を確認できるようにする。現在は企業が給与明細に記すにとどまっている。 自営業者や学生が加入する国民年金では、確定申告の際に保険料の納付証明として利用できるようにする。今は保険料を払っていなくても納めたとして課税所得を過少申告し税額を減らす悪用が可能なため、納付証明の添付を義務づける法案が審議中になっている。 先の通常国会で成立した年金改革法は、情報提供サービスの拡充も盛り込んでいる。2008年度には過去の納付記録や将来受け取る年金の見込み額を点数で知らせる「ポイント制」を導入する
2004/08/06
政管健保、黒字に、総報酬制で収入増
社会保険庁は5日、中小企業の会社員らが加入する医療保険制度である政府管掌健康保険の2003年度決算が647億円の黒字になったと発表した。黒字は1992年度以来、11年ぶり。月収と賞与に同率の保険料をかける「総報酬制」の導入に伴い保険料収入が増えた半面、会社員本人(被保険者)の医療機関窓口での自己負担引き上げの影響で保険給付が減ったのが主因だ。
総報酬制の導入により、保険料収入は五・四%増となった。一方、支出は保険給付費が6.0%減の3兆8534億円。高齢者医療向け拠出金などを含めた支出全体は4.8%減った。 この結果、2003年度決算は2002二年度の過去最大の赤字(5588億円)から大幅に改善。中期的な財政運営のため剰余金から積み立てる事業運営安定資金の残高は一年前より418億円改善したが、なお106億円の赤字だ。 社保庁は2004年度の収支見通しについて1700億円程度の黒字を見込むが、「被保険者数の減少や賃金の低下が続いており、先行きは楽観できない」としている。
2004/08/06 :日本経済新聞