社会保険や人事労務に関連する法改正・政府方針および行政の調査等のトピックスを集めました
外国人研修生、労基法の適用対象に
政府は外国人労働者の受け入れ拡大のための体制整備に乗り出す。研修・技能実習の名目で働く労働者の在留期間を最長で原則三年から五年に延長し、現在六十二の対象業種を拡大する。一方で研修生を労働基準法や最低賃金法の規制対象に加え、不正雇用への罰則も強化する方向。産業界の要望を踏まえた受け入れの拡大策と不正労働の抑止の両面に重点をおく。
法務、厚生労働、経済産業など関係五省が近く連絡会議を設置し、研修・技能実習の制度見直しの詰めの作業に入る。入国管理局も実態調査を進めており、年明けに入国管理法の省令などを改正する見通し。
2006/09/22 :日本経済新聞
厚生年金、約3割の事業所が未加入で267万人が適用漏れ
総務省が9月15日に公開した行政評価/監視結果によると、厚生年金への加入義務のある約226〜233万事業所のうち、ほぼ3割にあたる約63万〜70万事業所が加入していないという。総務省では、厚生年金に未加入の従業員は267万人に達するおそれがあるとみている。総務省では、未加入事業所の多さについて、社会保険庁側が未加入の事業所の実態を適切に把握しておらず、加入促進業務が的確に行われていないことが一因としている。社会保険庁は、これまで厚生年金の加入事業所と、雇用保険の加入事業所のリストを突き合あわせ、厚生年金の加入漏れ事業所を探してきた。総務省によると、この厚生年金、雇用保険それぞれの電算システムはまったく連携しておらず、突き合わせ結果に十分な信頼性がないという。
2006/09/15
左遷人事でのうつ病を労災認定
化粧品製造会社「コスメイトリックスラボラトリーズ」(東京)の元社員の男性(38)が「左遷人事が理由でうつ病になった」とした労災申請について、この度太田労働基準監督署(群馬県)は労災と認定した。 男性は1996年に同社に入社し本社経理部で係長を務めていたが、2004年7月に突然、群馬工場(同県邑楽町)の総務部に転勤になった。原因は「同僚だった社長の息子に嫌われたことによる左遷人事だろう」としている。職場ではほかの社員とは離れた席で、窓向きに着かされた。給料も月約11万円減った。男性は転勤の2カ月後にうつ病になり、3週間入院。退院後の同年10月に本社に出向くと、解雇を告げられたという。
2006/09/03
労働経済白書から
厚生労働省がまとめた2006年版の労働経済の分析(労働経済白書)は、パートや派遣・契約・嘱託社員など働き方が多様化していることを指摘している。景気回復で雇用情勢は改善しているが、正規雇用者の占める割合は低下している。
景気回復を背景に、06年1-3月期の雇用者数は前年同期比79万人増の5002万人となった。中身を見ると「非正規の職員・従業員」が72万人増えた一方、「正規の職員・従業員」は7万人増にとどまった。 06年1-3月期でみると、雇用者の33.2%をパートやアルバイトなどの非正規雇用者が占めている。1991年では非正規雇用者の割合は19.8%に過ぎず、バブル崩壊後に働き方が多様化していったことがわかる。 05年の現金給与総額は前年を0.6%上回り、5年ぶりに増加に転じた。賞与では、業績に応じて支給額を決める企業が増えている。業績連動方式を採用している企業の割合は39.9%に達した。
2006/8/16 :日経産業新聞
非正規雇用者の社会保険加入を徹底へ
工場で働く請負労働者ら非正規雇用の人たちの多くが正規の社会保険に入っていないとして、社会保険庁は実態調査に着手した。請負業界では保険料負担を免れるための加入漏れが目立つ。請負業界全体の未加入者は10万人単位ともいわれ、製造業の現場で横行する偽装請負も未加入の一因になっている。
2006/08/10
社保庁不正
国民年金保険料の不正免除問題に関する厚生労働省の検証委員会と社会保険庁の公表によると、判明した不正手続きは38万件超。検証委は不正が起きた背景として職員の法令順守意識の薄さや、事務処理が標準化されていなかった要因を挙げ、「性悪説」に立った監視システムの導入など八項目の再発防止策を示した。最終的に判明した不正免除は社会保険事務所のうち四割近い116カ所で行われていた。これとは別に、未納者を「行方不明扱い」にして納付率をかさ上げする不正やミスなど、不適正な事例が162000件余りある。同庁は2005年にも個人情報の盗み見事件などで大量処分を出したばかりだが、事業の民間委託の拡大や組織の民営化など、抜本改革を求める声も高まりそう。
2006/08/04 :日本経済新聞
昨年度、厚生年金2年ぶり黒字
社会保険庁は政府管掌健康保険の2005年度決算が1494億円の黒字になったと発表した。景気回復で被保険者となる雇用が増えて保険料収入が1.6%増加した。黒字は三年連続となるが、黒字幅は高齢化による医療費の増加で前年度に比べ970億円減った。
2006/08/04 :日本経済新聞
心の病、企業の74%で休業者
「心の病」を理由に1カ月以上休業している人がいる上場企業が、全体の74.8%にのぼることが社会経済生産性本部の調査でわかった。2004年に行った前回調査よりも8.0ポイント増えた。社会経済生産性本部メンタル・ヘルス研究所は「個人で仕事をする場面が増えており、職場内のコミュニケーションが少なくなっていることが影響している」と分析している。 職場環境の変化を聞いたところ「個人で仕事をすることが増えた(ややそう思うを含む)」企業が67.0%を占め、「職場でのコミュニケーションの機会が減った(同)」企業が60.1%となった。
2006/08/04 :日経産業新聞
障害者の雇用状況に改善が見られない企業名を公表
厚生労働省は、障害者雇用促進法の規定に基づき、特別指導を行ったにもかかわらず障害者の雇用状況に改善が見られなかった企業名を公表した。今回公表されたのは両毛丸善株式会社(足利市)と株式会社ウィザス(大阪市中央区)。
2006/06/30
昨年、出生率1.25少子化が加速
厚生労働省の人口動態統計(概数)によると、一人の女性が生涯に産むと推定される子どもの数を表す合計特殊出生率は1.25となった。2004年の1.29を大幅に下回り、五年連続で過去最低を更新。政府は年金制度を維持するために1.39への回復を前提にしているが、差が一段と開き厚労省は月内に年金制度の設計などに使う将来推計人口の下方修正に乗り出す方針を決めた。
2006/06/02 :日本経済新聞
障害者の就職者数が過去最多
厚生労働省は障害者の就職状況を初めて公表し、2005年度に全国のハローワークを通じて就職した障害者が過去最多の38,882人だったと発表した。改正障害者雇用促進法の施行に伴って障害者の働く意欲が高まったことや企業が法定雇用率達成に前向きになっていることによるものと同省はみている。就職者の内訳は、身体障害者が23,834人、知的障害者が10,154人、精神障害者が4,665人、その他の障害者が229人。
2006/05/17
国民年金保険料未納者への差押え件数が急増
国民年金保険料の未納者に対する財産差押えの執行件数は、2005年度は1,051件(昨年度22件)だったことが、東京社会保険事務局のまとめでわかった。未納者からの徴収強化の方針をとったことによるもので、昨年度から急増した。強制徴収を前提とした最終催告状を57,890件(昨年度3,029件)送付し、それでも未納だった人へは督促状を16,548件(昨年度1,560件)送付したが、今年2月末における納付率は60.3%にとどまっており、同事務局は「2006年度も徴収にさらに努力する」としている。
2006/5/16
労働審判制度 東京地裁で初めて調停が成立
企業と労働者個人のトラブルを解決する新制度として4月から導入された「労働審判制度」に基づき、会社から不当解雇されたとして都内在住の男性が解雇の無効確認などを求めていた事件で、東京地裁で裁判上の和解に該当する調停が初めて成立した。
申立てから1カ月足らずでの解決となり、3回以内の調停で原則3〜4カ月以内の解決を目指す同制度の効果が表れた。
2006/05/11
社会保障に関する個人情報の一元管理を検討
政府は、年金・医療・介護・雇用の4分野を対象に、個人に「社会保障番号」を付し、給付と負担に関する情報を一元的に管理する「社会保障個人会計制度」の導入に向けた検討を始めた。現行制度では、個人への給付状況を政府が直ちに把握することが難しいが、それぞれの利用状況を示す「給付」と、個人が納めた保険料や医療・介護の自今負担額を合算した「負担」の収支を明示する制度の導入により、給付の適正化を図る意向。2010年前後の導入を目指している。
2006/05/07
社会保障負担、2025年度7割増の143兆円
厚生労働省は、年金や医療、介護など社会保障給付に必要な税や保険料の負担が、一連の制度改革の効果を勘案しても、2025年度には現在より72%増の143兆円に膨らむとの推計をまとめた。国民所得に対する割合では4.5ポイント高い26.5%になる。負担増を抑えきれず、財政赤字などを加えた潜在的国民負担率も50%を超える。年金、医療、介護サービスなどのために国民が負担する税と保険料の総額は06年度で82兆8000億円。25年度まで年間約3兆円ずつ膨らむ。
2006/05/19
NTT、厚労省却下で行政訴訟
NTTとグループ会社合計68社は、退職者の年金給付削減を認めないとする厚生労働省の処分の取り消しを求め、東京地方裁判所に国を相手取った行政訴訟を起こした。労使合意を踏まえた企業の自主的な経営改善努力を国はどこまで制限できるのか、年金の受給権を巡るOB世代と現役世代との負担感のバランスをどうみるかが注目される。年金を巡る裁判は松下電器産業やTBSなどでも起きているが、いずれも減額に抗議した退職者が企業を訴える構図。今回の特殊性は、企業が退職者の合意を後ろ盾に、減額を認めるよう国を訴えたことにある。 NTTが退職者向けに導入を目指したのは、キャッシュバランス型と呼ばれる年金制度。受取額が国債利回りに連動して変わるため、企業側は運用に伴うリスクを軽減でき、多くの上場企業が採用に踏み切った。半面、現在のような低金利下では事実上、年金の受取額が減少。 NTTでは2004年4月にまず現役社員がこの新制度に移行した後、退職者に対して一年近くかけて制度の仕組みを説明。14万人の退職者のうち約九割の支持を取り付けて、厚労省が求める基準(三分の二の賛成)を上回った。これを支えに退職者にも導入を目指したが、今年2月、厚労省は退職者分については制度変更の申請を却下した。
2006/05/02 :日本経済新聞
賃上げ率、1.55%に上昇――主要企業速報、0.14ポイント改善。
日本経済新聞社の速報結果をまとめによると、賃上げ率(月例給与の上昇率)は回答を得た55社の平均で1.55%と、前年を0.14ポイント上回った。年間一時金(ボーナス)は、回答27社の平均支給額が1.07%増えた。
今春は多くの労組がこれまで見送っていたベースアップ(ベア)を含む賃金改善を要求した。賃金動向調査によると、1990年に定期昇給とベアを合わせ15000円近くあった賃上げ額は、2005年に5000円弱まで減少。90年代前半に3〜5%台だった賃上げ率も、〇〇年以降は一%台に低下している。
:2006/04/05 :日本経済新聞
パート、待遇改善で戦力化、正社員に転職17%増
企業が派遣やパートなどの「非正規雇用」社員を長期的な戦力に取り込み始め、流通業界などを中心にパート社員を正社員に登用する動きが拡大。景気回復などを背景に人手不足感が強まる中、優秀なパート社員を囲い込み、競争力を高める狙い。雇用者の賃金格差も縮小していく可能性がある。 総務省の労働力調査によると、派遣・パートから正社員に転職した女性は2005年に約16%増の22万人と、正社員から派遣・パートへの転職(21万人)を2002年の調査開始以来初めて上回った。
2006/04/05 :日本経済新聞
個人情報保護法の運用見直しの動き
政府は関係15省庁で構成する連絡会議を開き、個人情報保護法の施行後、情報管理について「過剰反応」が起きていることから、法解釈や運用基準を明確にし、各省庁が公表しているガイドラインを見直すことなどを申し合わせた。学校で名簿作成を差し控えたり、医療機関が患者に関する情報を家族に提供することを拒んだりするなどのケースが続いていた。
2006/03/01